秋田県北鹿地域に分布する黒鉱鉱床のRe-Os年代決定を行い,北鹿地域最大の黒鉱鉱床である松峰鉱床が約14.9Maに生成したことが明らかになった.また,松峰鉱床のOs同位体比初期値は,当時の海水Os同位体比と良く一致することが明らかになった.さらに,黒鉱鉱床生成前後の泥岩を化学分析し,主要な鉱化作用の後は,相対的に還元的環境であったことを示す結果が得られた. 原油試料は,秋田県由利原油田と申川油田のRe-Os同位体分析を行ったが,年代決定可能な同位体比データは得られていない.しかし,Os同位体比は根源岩である黒色頁岩よりも低い値を示し,無機的に石油が熟成・生成したことを支持する結果が得られた.
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