新規材料として期待が高まりつつあるイオン液体の物性を理解するために、低温希ガスマトリックス単離赤外分光法と高精度量子化学計算を用いて、イオン液体の蒸発機構と蒸発時の構造研究を行った。特に、本研究では酸と塩基を当モル混合することで簡単に合成できるプロトン性イオン液体について詳細な研究を行った。これまでの研究ではプロトン性イオン液体は蒸発時にプロトンがアニオンからカチオンへ移動して酸と塩基として蒸発すると考えられていたが、本研究では強酸ー強塩基の組み合わせからなるイオン液体においてはアニオン‐カチオン対を形成したまま蒸発することを明らかにした。
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