本研究では、固体2次元交換核磁気共鳴測定を用いてアミノ酸の固体粉末試料の炭素核距離を解析した。試料には2つの炭素原子核を炭素13で標識したアミノ酸(ロイシン, アラニン)を用いた。解析の結果、アラニンのメチン基とメチル基の炭素核間距離(文献値は1.53Å)は0.9~1.6Åと見積もることができた。また、ロイシンのメチン基とカルボキシ基の炭素核間距離(文献値は1.53Å)は1.6Å以下と見積もられたが、距離の範囲の下限を見積もることはできなかった。以上より、本手法は水素核が直接結合した炭素同士であれば、距離の範囲を見積もることができる可能性が示唆された。
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