窒化ホウ素(BN)フラーレンは1998年に発見されたかご状物質であるが、その詳しい成長機構は不明な点が多いままとなっている。そこで本研究では量子化学計算法と最小作用の原理に基づいてダイナミックなトラジェクトリ-を計算する作用誘導型分子動力学計算(ADMD)法を組み合わせ、化学結合の断続的な切断、再結合を伴う複雑な分子ダイナミクスを効率的に追跡することのできる量子化学ADMD法を開発した。この計算方法を用いて、窒化ホウ素クラスターの分子シミュレーションを行い、窒化ホウ素フラーレンが生成される機構に関する解析を行った。
|