パルス放電ノズルを組み合わせたCRDS分光法によるラジカル分子錯体の電子遷移の観測に必要な装置の改良を行った。試験的に既に電子遷移の知られているAr-CN錯体について探査を行った。装置の改良により180ppm/pass程度の強いCNラジカルの遷移が観測されたが、明確にAr-CN錯体に帰属される遷移は観測されなかった。結合エネルギーが大きく、生成量の多いH2O-CN錯体についても同様の実験を行ったところ回転構造の分解されないスペクトルが観測された。この他計算環境を整備し、HO3ラジカルの基底状態および第一電子励起状態についての理論研究を行った。
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