前駆体法やπ拡張ピロール合成により、ナフタレンやアセナフチレンなどの多環式芳香環縮環ビピロールを合成し、酸化的カップリングにより環化させ、π拡張シクロ[n]ピロールを合成した。1500 nmに強い吸収を示すシクロ[8]アセナフトピロールを合成した。また、このときこれまで報告例がなかったシクロ[10]ピロールの単離に成功した。このほかに核置換誘導体、β-アルキル誘導体、および9,10-アントラセノ縮環誘導体の合成に成功した。分子の骨格と共役拡張、吸収波長の関係を、吸収スペクトルやX線結晶構造解析、MCDスペクトルの測定およびTD-DFT計算を用いて芳香族性や電子構造の考察から明らかにした。
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