モノアニオン性支持配位子を有する新規クロム(V)オキソ錯体の合成と基質酸化反応における反応性評価を行った。その中でクロム(V)オキソ錯体に関する電子移動特性として、電子供与体との電子移動反応の解析から一電子還元電位(Ered)を1.23 V vs SCE、再配列エネルギーの値を1.03 eVと決定した。また、クロム(V)オキソ錯体を酸化剤としたベンジルアルコール誘導体酸化反応における反応速度論解析を行った結果、一段階の水素引き抜き経由から段階的な電子/プロトン移動経由への反応機構の切り替わりの観測に初めて成功した。
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