分子フォトニックワイヤ(MPW)とは、分子光デバイスの最も基本的ながら最重要の構成要素であり、ロジックゲートなど様々な素子間の光情報伝達を担う。本研究では強吸収・強発光性のビス(ジピリナト)亜鉛錯体の逐次的な錯形成による、MPWの創製を目指した。研究期間内に、非対称な亜鉛二核錯体が末端から逆末端へとフォトンを効率100%で伝達することを見出した。多核化により分子フォトニックワイヤの完成が見込める重要な研究成果である。一連の知見を発展させ、光電変換能を有するビス(ジピリナト)亜鉛錯体一次元ナノワイヤ・二次元ナノシートの構築にも成功した。
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