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2013 年度 実績報告書

4族遷移金属ヒドリド錯体を用いた窒素分子の活性化と触媒反応への展開

研究課題

研究課題/領域番号 24750063
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

島 隆則  独立行政法人理化学研究所, 侯有機金属化学研究室, 専任研究員 (60391976)

キーワードチタンヒドリド錯体 / 窒素活性化 / 水素化 / アンモニア
研究概要

今年度は、「1.ハーフサンドイッチ型三核チタンヒドリ錯体を用いた窒素の切断・水素化」および「2.チタンイミド錯体の水素化によるアンモニアの生成反応」について取り組んできた。
1. ハーフサンドイッチ型三核チタンヒドリド錯体を用いた窒素の切断・水素化:今年度初頭に、3つのチタンからなる三核チタンヒドリド錯体を用いた常温常圧での窒素の切断・水素化反応を報告した (Science 2013, 340, 1549.)。本報告では、常温・常圧で窒素分子のN-N結合の切断とN-H結合生成反応が進行するメカニズムの詳細を調べるために、同位体元素15Nでラベルした窒素分子を用いた反応解析、速度論的解析によるエネルギー算出や、計算化学によるメカニズム解明などを報告した。その後新たな知見として、4つのチタンからなるイミド―ヒドリド錯体が窒素および水素と反応することを明らかにし、N-N結合の切断、N-H結合生成反応が進行することを見出した。この反応では反応初期に窒素上の水素が切断され、水素分子の可逆的脱離が起こり、ニトリド錯体が生じており、この錯体に窒素が反応していくものと考えられる。
2. チタンイミド錯体の水素化によるアンモニアの生成反応:活性化された窒素原子を系外にアンモニアや含窒素有機化合物として取り出すために、高圧水素を用いた水素化反応や、様々な試薬との反応を通して窒素上にヘテロ原子の導入を検討した。残念ながら、チタンイミド錯体に対して高圧水素を付加させて高温で反応させても、反応は進行せず、ほぼ定量的に原料を回収した。しかし、このイミド錯体に対してルイス酸である塩化銅、塩化亜鉛、塩化スカンジウム等を反応させた異種多金属イミド錯体に対して水素を付加すると、アンモニアの生成が確認された。さらにこれらの反応を検討し、金属の組み合わせ、反応条件の最適化を行う。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Dinitrogen Cleavage and Hydrogenation by a Trinuclear Titanium Polyhydride Complex2013

    • 著者名/発表者名
      T. Shima, S. Hu, G. Luo, X. Kang, Y. Luo, Z. Hou
    • 雑誌名

      Science

      巻: 340 ページ: 1549-1552

    • DOI

      10.1126/science.1238663

    • 査読あり
  • [学会発表] Dinitrogen Cleavage and Hydrogenation by a Trinuclear Titanium Polyhydride Complex

    • 著者名/発表者名
      S. Hu, T. Shima, G. Luo, X. Kang, Y. Luo, Z. Hou
    • 学会等名
      第60回有機金属化学討論会
    • 発表場所
      東京、学習院大学
  • [学会発表] 三核チタンポリヒドリド錯体による常温・常圧での窒素分子の結合切断および水素化反応

    • 著者名/発表者名
      島 隆則・胡 少偉・羅 根・亢 小輝・羅 一・侯 召民
    • 学会等名
      第63回錯体化学討論会
    • 発表場所
      沖縄、琉球大学
  • [学会発表] Aromatic C-C bond Cleavage by a Trinuclear Titanium Polyhydride Complex

    • 著者名/発表者名
      S. Hu, T. Shima, X. Kang, Y. Luo, Z. Hou
    • 学会等名
      第63回錯体化学討論会
    • 発表場所
      沖縄、琉球大学
  • [学会発表] 四核チタンイミド/ヒドリド錯体を用いた窒素分子の活性化反応

    • 著者名/発表者名
      島 隆則・胡 少偉・遠藤 慶徳・侯 召民
    • 学会等名
      第94回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      名古屋、名古屋大学
  • [学会発表] Functionalization of Imido and Nitrido Polynuclear Titanium Complexes Formed by Dinitrogen Activation

    • 著者名/発表者名
      S. Hu, T. Shima, Z. Hou
    • 学会等名
      第94回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      名古屋、名古屋大学
  • [学会発表] 銅に促進されたチタンイミド錯体の水素化によるアンモニア生成

    • 著者名/発表者名
      遠藤 慶徳・島 隆則・侯 召民
    • 学会等名
      第94回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      名古屋、名古屋大学
  • [図書] 水素利用技術集成vol42014

    • 著者名/発表者名
      島 隆則・侯 召民(共著)
    • 総ページ数
      332
    • 出版者
      株式会社エヌ・ティー・エス
  • [備考] 侯有機金属化学研究室ホームページ

    • URL

      http://www.riken.jp/lab-www/organometallic/index.html

  • [産業財産権] 新規錯体およびその利用2013

    • 発明者名
      侯召民・島隆則・胡少偉・遠藤慶徳
    • 権利者名
      侯召民・島隆則・胡少偉・遠藤慶徳
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2013-130982
    • 出願年月日
      2013-06-21
  • [産業財産権] 新規錯体およびその利用2013

    • 発明者名
      侯召民・島隆則・胡少偉・遠藤慶徳
    • 権利者名
      侯召民・島隆則・胡少偉・遠藤慶徳
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2013/81276
    • 出願年月日
      2013-11-20
    • 外国

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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