質量分析は、化学における不可欠な分析法である。質量分析するために試料分子を帯電させる必要があり、そのためイオン源は、質量分析計における重要な一部である。従来方式では、高真空下あるいは大気圧下でイオン化は行われる。我々は、イオン源の圧力を大気圧以上に増加させることにより、イオン化効率の改善は可能であることを確認した。この概念に基づいて、より高感度、そして従来法で実現できない、新規イオン源を開発した。その結果、プロテオーム解析にとって重要な水溶媒の分析は簡便かつ高感度になった。これらの研究結果は質量分析法の改善に貢献できるだけでなく、他の分野、例えば新しい薄膜作成法としての応用も可能である。
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