本研究では、ILという特殊反応場において、金属イオンの配位数および錯体構造を立体障害に頼ることなくどの程度制御することが可能かについて検討を行うことを目的とし、1)金属イオンからの極限的脱溶媒和, 2)立体障害非依存型配位制御による新規錯体構造の構築の2項目について研究を行った。研究項目1)における主要な成果として、代表として取り上げたCo2+の極限的脱溶媒和状態が[Co(OH2)4]2+であることを見出した。また、研究項目2)においては、従来では極めて起こりにくい「硬い酸」と「軟らかい塩基」の組合せでもIL中で形成される極限的脱溶媒和状態下では錯形成反応が進行することが実証された。
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