一次標準分析法の一種である一次標準直接法は物質量の標準物質を用いる事なく、分析対象成分を直接定量できる定量分析法である。将来の一次標準直接法となる事を目指して、キュリー・ワイスの法則に基づく磁気定量分析法を提案し、その原理の妥当性確認を行った。分析対象は不対電子をもつ原子であり、希土類イオン・有機フリーラジカル等が該当する。分析試料のマトリックスは閉殻電子のみをもつ原子で構成されている必要がある。酸化ガドリニウムと酸化ケイ素の混合粉末、および、3種類の高純度有機化合物を定量した結果、分析値の相対拡張不確かさは約5%であるが、この不確かさの範囲内で直接定量が可能である事を確認した。
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