本研究課題では、塩基配列を保存した高分子の核酸分子を直接定量する手法として、分光学的手法や酵素的増幅法を用いない、質量分析手法を開発することを目的として行った。 具体的には、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)やキャピラリー電気泳動などの分離手法と誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を組み合わせて、核酸分子内リン元素を直接的に定量することで高分子核酸の直接的な定量を実現した。特にサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を用いたSEC-ICP-MS法では、500~1000塩基のRNA分子を定量することができ、本手法の有効性と実用性を示す結果となった。
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