本研究では,金属の配位がキレート配位可能なジアリールアセチレン分子の光学的性質に与える影響を調べるため,対応するジアルキル白金(II) 錯体の合成を行った.その結果,キレート錯体を中間体としたアルキン炭素との環化による双性イオン型プラチナサイクルおよび,アルキン部位が配位していないキレート錯体の形成をそれぞれ確認し,各々の錯体が示す配位に伴う光学応答についても調べた.本研究成果は新しいセンシング分子の創製の可能性を示しているだけでなく,将来的にはπ共役系分子と金属錯体を融合させた全く新しい材料の基礎となりうると期待される.
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