研究課題/領域番号 |
24750099
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山下 建(アルブレヒト建) 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (50599561)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | デンドリマー / カルバゾール / ドナー・アクセプター構造 / ポテンシャルプログラミング |
研究概要 |
本研究ではHOMO-LUMOに留まらず、分子内のポテンシャル構造全体を自在制御するいわゆる「ポテンシャルプログラミング」の概念を基盤として、分子内ポテンシャル構造の制御されたデンドリマー材料の開発と応用研究の展開を目的としている。特に本研究では新規なドナー-アクセプター構造を基本とする量子井戸型ポテンシャルを有するデンドリマーをポテンシャルプログラムされた新しい材料として提案し、その合成を行うと共に性質を明らかとすることを目指している。 カルバゾール(ドナー)を分岐骨格とし、ベンゾチアジアゾール(アクセプター)とアセチレン(π系)を配したデンドリマー構造を薗頭カップリングとウルマン反応を利用して合成した。しかし、平面性の高い構造のために著しく溶解性が低かったため、π系であるアセチレンを除外したデンドリマーの合成を行うこととした。現在、低世代デンドリマーの合成を行なっており、ドナー・アクセプター系の連結に伴う電荷移動吸収帯を持つデンドリマーの合成に成功している。 他のドナー・アクセプター構造として構造制御されたカルバゾールデンドリマー(ドナー)を基盤としたフラーレン(アクセプター)との複合材料の開発も行った。C60フラーレンだけでなく、C70、C84フラーレンとの複合体形成がフラーレンのサイズ選択的に起きることを見出した。今後は外部刺激によってデンドリマーのポテンシャル構造を変化させることでフラーレンの内包放出を行うなどの研究に展開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初目指したカルバゾール(ドナー)を分岐骨格とし、ベンゾチアジアゾール(アクセプター)とアセチレン(π系)を配したデンドリマー構造の溶解性が著しく低かった。そこで、π系であるアセチレンを除外したデンドリマーの合成を行うこととした。そのため新たな合成ルートの構築が必要となり、やや研究が遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
カルバゾール骨格とベンゾチアジアゾール骨格を組合わせた新規なドナー・アクセプター連結型デンドリマーを開発を引き続き行う予定である。従来目指していたアセチレン骨格を含めたデンドリマーと比較して現在のところ溶解性は良好でありこのまま研究を推進していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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