分子性の超伝導体は、2分子が強く結合して二量体を組む物質群と、弱く結合する物質群に分けられる。後者は電荷揺らぎとの関連性が示されているが、前者では磁気揺らぎ以外の検証例はほとんど無い。そこで前者における電荷揺らぎの検証実験を行った。振動分光学的手法をβ'-型[Pd(dmit)2]2塩、非β'-型[Pd(dmit)2]2塩、β-型ET塩、κ-型ET塩に適用した。中性的分子とイオン的分子の所在と、それぞれの時間平均価数を決定し、繰り返し単位を求めた。二量体1個と4個の場合は絶縁体であるのに対し、超伝導体は2個であり、弱く結合する物質群における条件と一致した。
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