研究課題/領域番号 |
24750129
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
綱島 亮 山口大学, 理工学研究科, 助教 (70466431)
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キーワード | ポリオキソメタレート / テンプレート反応 |
研究概要 |
分子性金属酸化物あるポリ酸についてテンプレート合成法の確立を目標に、本提案はクラスター形成におけるテンプレート効果の実証までを目指した。これにより形状や構造の設計を可能にし、暁に、分子スケールを凌駕したナノ構造体や機能性有機分子をテンプレートとした複合ナノ材料の構築が可能になる。 様々なヘテロポリ酸形成において、オキソ酸イオンがテンプレートになることがこれまで知られている。その際、テンプレートアニオンがモリブデン酸イオンに求核付加的に起こる反応がモデルとなるため、テンプレートアニオンのルイス塩基性が重要な反応制御因子になりうる。実際、ルイス塩基性が同等であるが、分子形状が大きく異なる亜硫酸イオンとフェニルホスホン酸イオンを共に反応させたところ、両者がクラスター骨格に取り込まれたクラスターを得た。亜硫酸イオンはクラスター中央に位置し、テンプレート的な役割を担い、フェニルホスホン酸イオンはバルキーなフェニル基をクラスター外部にむける形でMo-O骨格に取り込まれていた。今回、ヘテロポリ酸形成過程において、テンプレートのルイス塩基性が重要な反応制御因子であることを明らかにした。また同時に、そのルイス塩基性は結合価に基づく理論に基づき、分子構造を用いて机上で算出できる値である。新規なテンプレート候補に対しても、反応の可否を前もって判断しうる利点があり、非常に有用な知見を得た。 これらの知見を踏まえ26年度ではルイス塩基性に着目して機能性有機分子をテンプレートとした反応等を模索する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今回、ヘテロポリ酸形成過程において、テンプレートのルイス塩基性が重要な反応制御因子であることを明らかにした。また同時に、そのルイス塩基性は結合価に基づく理論に基づき、分子構造を用いて机上で算出できる値である。新規なテンプレート候補に対しても、反応の可否を前もって判断しうる利点があり、非常に有用な知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
今後、有機ラジカル、蛍光色素を機能性部位に有するテンプレートアニオンをルイス塩基性に留意しながら設計しMo-Oナノクラスター内に包接したような化合物の開拓を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
薬品などの消耗品に充てる経費が見込みと異なったため。 今年度の消耗品(薬品・器具)に充てる
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