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2014 年度 実績報告書

巨大金属酸化物クラスターのテンプレート合成

研究課題

研究課題/領域番号 24750129
研究機関山口大学

研究代表者

綱島 亮  山口大学, 理工学研究科, 准教授 (70466431)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードポリ酸 / ポリオキソメタレート / テンプレート合成
研究実績の概要

分子性金属酸化物あるポリ酸についてテンプレート合成を用い、分子の形状や構造の設計を可能にするような合成手法を目指した。分子スケールを凌駕したナノ構造体や機能性有機分子をテンプレートとした複合ナノ材料の構築が期待できる。
巨大リング状クラスターMo154はモリブデン酸イオン、酸、還元剤(Na2S2O4)を適切な混合比で反応させることにより得られる。同反応において、反応pHや還元剤濃度を変えながら、生成物の構造決定を行った。反応pHや還元剤量が増えるにしたがって[(SO3)2Mo18O54](4-)、[(SO3)4Mo6O15](16-)が形成していることを突き止めた。両クラスターとも、還元剤の酸化により生じるSO3(2-)イオンをクラスターの中心に含み、pHや還元剤量の増加によりSO3(2-)がテンプレートとなったためと考えられた。
ヘテロポリ酸形成において、オキソ酸イオンがテンプレートになることがこれまで知られている。その際、テンプレートアニオンがモリブデン酸イオンに求核付加的に起こる反応がモデルとなるため、テンプレートアニオンのルイス塩基性が重要な反応制御因子になると考えた。実際、分子形状が大きく異なる亜硫酸イオンとフェニルホスホン酸イオンを共に反応させたところ、両者がクラスター骨格に取り込まれたクラスターを得た。亜硫酸イオンはクラスター中央に位置し、テンプレート的な役割を担い、フェニルホスホン酸イオンはバルキーなフェニル基をクラスター外部にむける形でMo-O骨格に取り込まれていた。その際、有機溶媒との混合溶媒、Mo(V)の存在が、テンプレート反応をより効果的にすすめるための合成戦略として重要であることを明らかにした。これは、新規なテンプレート候補に対しても、反応の可否を前もって判断しうる利点があり、今後の発展が大きく期待できる有用な知見を得た。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Electrical Network of Single-Crystalline Metal Oxide Nanoclusters Wired by π-Molecules2014

    • 著者名/発表者名
      R. Tsunashima, Y. Iwamoto, Y. Baba, C. Kato, K. Ichihashi, S. Nishihara, K. Inoue, K. Ishiguro, Y.-F. Song, T. Akutagawa
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed.,

      巻: 42 ページ: 11228、11231

    • DOI

      10.1002/anie.201406223

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Concentration Dependent Stability of Fullerene-shaped Metal-oxide Nanocluster {Mo132} in Aqueous Solution2014

    • 著者名/発表者名
      T. Matsumoto, I. Nakamura, K. Ishiguro, R. Tsunashima
    • 雑誌名

      Sci. Adv. Mater

      巻: 6 ページ: 1389、1393

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Recent advances on polyoxometalates intercalated layered double hydroxides: From synthetic approaches to functional material applications2014

    • 著者名/発表者名
      S.Omwoma, W. Chen, R. Tsunashima, Y.-F. Song
    • 雑誌名

      Coord. Chem. Rev

      巻: 258-259 ページ: 58-71

    • DOI

      10.1016/j.ccr.2013.08.039

    • 査読あり
  • [学会発表] ポリオキソメタレートのバルク電子輸送特性2015

    • 著者名/発表者名
      綱島 亮・大上 莉佳・野中 友紀子・岩本 芳文
    • 学会等名
      日本化学会春季年会
    • 発表場所
      千葉市 日大船橋
    • 年月日
      2015-03-28
  • [学会発表] 混合原子価[PMoVnMoVI12-nO40](3+n)-クラスターの誘電特性2014

    • 著者名/発表者名
      中村 一平、 星野 哲久、 芥川 智行、 綱島 亮
    • 学会等名
      分子科学討論会
    • 発表場所
      東広島市 広島大学
    • 年月日
      2014-09-21 – 2014-09-24
  • [学会発表] ピリジニウム誘導体テトラチアフルバレンからなる無機塩の構造と電気物性2014

    • 著者名/発表者名
      兼頭寛光,  綱島亮
    • 学会等名
      分子科学討論会
    • 発表場所
      東広島市 広島大学
    • 年月日
      2014-09-21 – 2014-09-24
  • [学会発表] 混合原子価分子性モリブデン酸化物[Moⅴ2Moⅵ16O54(SO3)2]6-のバルク電気伝導性に与えるクラスター間距離の影響2014

    • 著者名/発表者名
      大上莉佳,野中友紀子,綱島亮
    • 学会等名
      分子科学討論会
    • 発表場所
      東広島市 広島大学
    • 年月日
      2014-09-21 – 2014-09-24
  • [備考] ホームページ

    • URL

      http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~ryotsuna/tsunashima/index.html

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公開日: 2016-06-01  

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