結晶内における不純物拡散の解明には、不純物が作る格子欠陥近傍の1原子/分子のミクロな拡散過程の理解が必要であるが、その直接観察は困難であり、これまで結晶のマクロ特性から拡散機構が推定されてきた。一方、荷電したコロイド微粒子が形成する「コロイド結晶」は、一粒子のその場・実時間観察が可能なモデル系である。本研究では、不純物粒子添加によりコロイド結晶に格子欠陥を作り、その近傍の粒子の拡散過程を光学顕微鏡観察した。これにより、不純物粒子の拡散素過程の一例である空孔機構等の一粒子観察に成功した。粒子の軌跡解析により格子内における不純物の拡散の場合と移動距離が一致した。
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