本研究では偽-ラセミタンパク質結晶化法に必要な均一構造の糖タンパク合成のために、本申請者が開発した「ペプチド-グアニジド体」を鍵化合物とした、新規ペプチドーチオエステル合成手法および、位置選択的ペプチド連結反応の確立に成功した。これを用いてN型糖タンパク質CD59と、O結合型の糖であるGalNAc残基を30カ所有した不凍糖タンパク質(AFGP)の合成に成功した。確立した合成手法を利用し、Dアミノ酸と天然型のGalNAcから構成されたAFGPジアステレオマーの合成にも成功し、これと天然型AFGPの1:1で混合した試料を用いた、偽ラセミタンパク質結晶化の検討を行った。
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