研究実績の概要 |
1.前年度に引き続き、神経幹細胞株(MEB5細胞)を上皮成長因子(EGF)存在下または枯渇下、および脳低温条件(32℃)または通常の培養条件(37℃)を組み合わせた4条件で培養後、糖タンパク質を抽出・精製し、SDS-PAGEにより発現の差異を解析した。そして、MALDI-TOF/TOF MSによるプロテオーム解析を行った。その結果、再現性が得られた糖タンパク質を確認するとともに、新たに2つの糖タンパク質を推定した。また、15種のレクチンを用いたブロット解析を行い、各条件で発現の異なる糖鎖構造解析を行った。その結果、5種のレクチンブロット結果において、差異のあるバンドが確認された。 2.薄層クロマトグラフィー上で分離された糖脂質を掻きとり、シリカゲルから回収及び精製する方法は、非常に簡便な操作で糖脂質を精製することができるものの、共抽出される固着剤などの夾雑物が原因で、その後の糖脂質の構造解析が難しいという問題点があった。本研究では、薄層板から糖脂質を回収後、1,2-ジクロロエタン抽出を行った結果、夾雑物を除去することが可能であることがわかった。今後、確立した方法を用いて、糖脂質の組成変化について再度確認していく予定である。
|