近年,頭部に外傷を負った患者の脳浮腫や炎症反応による脳梗塞治療において,脳低温療法が臨床で応用されており,その有用性が明らかになりつつある.そして、この脳低温療法と同様の培養条件では、上皮成長因子(EGF)枯渇に伴う神経幹細胞株(MEB5)のアポトーシス誘導が抑制される。しかしながら、その詳細なメカニズムは完全に解明されていない。本研究では、神経幹細胞のアポトーシスを含めた重要な機能をもつ糖脂質や、β1-インテグリンをはじめとする糖タンパク質発現解析を行った。その結果、脳低温療法培養条件において、特定の糖脂質および糖タンパク質の発現変化がアポトーシス抑制機構に関与している可能性を見出した。
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