環境負荷が小さく安価な塩電解質を用いて電気化学的にグラファイトからグラフェンを剥離することに成功した。剥離グラフェンの膜厚は、塩電解質の種類・電解質濃度・印加電位で制御されることが明らかとなった。従来の酸化反応を用いた剥離グラフェンに比べ、酸化を低減することが期待される。また、本研究で作製した剥離グラフェンを用いて、グラフェン透明導電膜・導電膜の開発を行なった。熱に弱い低分子ドーパントに対して、グラフェン層で、ドーパント層を挟みこむようなサンドイッチ構造を作製することで、グラフェン導電膜の耐熱性が向上することが分かった。以上の結果は、環境負荷を抑えたグラフェンの大量生産を実現する技術である。
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