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2014 年度 実績報告書

高移動度カーボンナノチューブ薄膜トランジスタの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24750180
研究機関首都大学東京

研究代表者

宮田 耕充  首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80547555)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードカーボンナノチューブ
研究実績の概要

平成26年度は、主に化学修飾や分子内包によるカーボンナノチューブの機能化に関する研究を進めた。1.化学修飾に関しては、様々な試薬の検討を通じて、ジアゾニウム塩を用いた手法により、安定かつ再現性高く孤立分散したナノチューブとの反応を確認することができた。一方で、反応によりナノチューブが凝集するという問題も生じたが、濃度や時間などの反応条件を最適化することで、この問題を回避できることがわかった。また、対象とした単一界面活性剤で分散した直径1.5nm程度の試料では、半導体型と金属型で明確なジアゾニウム塩との反応性の違いは確認されなかった。一般的なチューブの分離条件を考慮すると、混合界面活性剤系などにおいて、金属・半導体における選択的な化学修飾などへと応用できる可能性がある。2.分子内包については、様々な半導体材料とナノチューブの複合材料の創成を進めてきた。具体的には、原料分子をチューブに内包し、高温での熱融合反応を利用することで、結晶性の高いポリチオフェンやコロネン骨格を持つグラフェンナノリボンなどの合成に成功した。特に、上記の化学修飾を用いた手法により、ナノチューブの光吸収を抑制し、内包物由来の光学スペクトルを高い精度で測定することが可能になった。光吸収スペクトルやラマン散乱の測定結果と理論計算との比較より、従来の条件と比較し共役系が拡張されていることが明らかとなってきた。また、イオン液体を用いた手法により、得られた内部の物質にキャリアドープできることが確認できた。これまでに得られた一連の知見や確立した手法は、今後のカーボンナノチューブ薄膜トランジスタにおける高移動度化や高機能化へ向けた基礎となるものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Fabrication and Optical Probing of Highly Extended, Ultrathin Graphene Nanoribbons in Carbon Nanotubes2015

    • 著者名/発表者名
      H.E. Lim, Y. Miyata, M. Fujihara, S. Okada, Z. Liu, Arifin, K. Sato, H. Omachi, R. Kitaura, S. Irle, K. Suenaga, H. Shinohara
    • 雑誌名

      ACS nano

      巻: 未確定 ページ: 未確定

    • DOI

      10.1021/nn507408m

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] カーボンナノ構造をテンプレートとして利用した機能性材料の開発2014

    • 著者名/発表者名
      宮田 耕充
    • 学会等名
      第42回 東北地区高分子若手研究会夏季ゼミナール
    • 発表場所
      山形県
    • 年月日
      2014-07-29 – 2014-07-29
    • 招待講演
  • [図書] パリティ9月号特集「チューブ内ナノ空間の物理と化学」2014

    • 著者名/発表者名
      宮田耕充、真庭豊
    • 総ページ数
      5 (13-17)
    • 出版者
      丸善出版株式会社

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公開日: 2016-06-01  

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