今後の研究の推進方策 |
1.光応答性保護剤を有するサイズの異なる金ナノ粒子の合成 金ナノ粒子のサイズが微小化するに従い磁化が強くなるという報告(T. Yamamoto, et. al. Phy. Rev.Lett., 2004)から、光応答性保護剤を有する金ナノ粒子の微小化を図る。サイズの異なる金ナノ粒子は、研究室で開発した方法で合成する。ここでは、より強い磁性が期待される1.5nmのオクタンチオール保護金ナノ粒子(Au55)を合成し、24年度と同様、炭素数が12のチミン誘導体を混合することで目的物を得る。金ナノ粒子のサイズにより表面の曲率が異なるため、アルキルチミンの導入量や部位が変わることが予想されるが、24年度の検討を踏まえて最適化を図る。 2.光応答性保護剤を有する銀ナノ粒子の合成 最近、平均粒子径2nmの銀および銅ナノ粒子においても磁性が確認されているので(J. Garitaonandia, et. al., Nano Lett., 2008)、多様な金属ナノ粒子の磁性素子化を図る。アルカンチオール保護銀ナノ粒子の合成は、AgNO3のNaBH4還元により調製し、Thy-(CH2)12-SHの導入は、金ナノ粒子の場合と同様な条件で最適化を行う。 3.光反応性微小金ナノ粒子の評価 ナノ粒子のサイズおよび有機保護剤の導入量、導入部位の評価は、24年度と同様、TEM 、NMR、AFMにより実施する。サイズの微小化により、TEMでの粒子の観察ができなくなる可能性があるが、一粒子あたりの分子量が20,000u程度と小さくなるため、質量分析法(MALDI TOF MS法)により粒子サイズを評価する。磁性および光反応性については、24年度と同様にして評価する。
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