本研究では、導電性ポリマーコンポジットにおける導体-絶縁体相転移現象の解明と制御のため、正の抵抗温度係数(PTC)特性に影響する因子、PTC特性の解析、PTC特性制御方法の研究を行い、以下の成果を得た。(1)フィラーの種類と充填率が、PTC特性を強く支配している。(2)非晶性ポリマーからなるコンポジットにおいて、結晶性ポリマーからなるそれに匹敵するPTC特性が得られる。(3)PTC特性は、フィラー間のギャップがnmオーダで増加することにより発現する。(4)PVDF/Niコンポジットにおいて、Ni充填率を制御することにより、室温抵抗率と高温抵抗率を劣化させることなくPTC発現温度が制御できる。
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