研究課題/領域番号 |
24750227
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山本 祥正 東京工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90444190)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 天然ゴム |
研究概要 |
1.平均粒径が異なる脱タンパク質化天然ゴムの調製 遠心分離の回転速度を2500、5000および10000rpmと変化させて天然ゴムの脱タンパク質化を行うことにより、平均粒径が異なる脱タンパク質化天然ゴムラテックスを調製した。蛋白質量は、ケルダール分析およびFT-IR測定より見積もった。 2.脱タンパク質化天然ゴムへのスチレンのグラフト共重合における乾燥ゴム重量(DRC)および平均粒径の影響 脱タンパク質化天然ゴムラテックスの乾燥ゴム重量(DRC)がスチレンの反応率に与える影響について検討した。スチレンを1.5 mol/kg-rubber、tert-ブチルヒドロペルオキシド/テトラエチレンペンタミンを3.3×10-2 mol/kg-rubber使用し、DRCが30%の時に反応率が85%まで向上した。これに対して、DRCが20%および40%の場合、反応率が低下することが明らかとなった。なお、反応率はFT-IR測定より見積もった。上記で決定した最適条件下で、脱タンパク質化天然ゴムの平均粒径がスチレンの反応率に与える影響について検討した。その結果、平均粒径が小さくなるほど反応率が低下する傾向が見られた。 3.グラフト共重合体のスルホン化 グラフト共重合体(DPNR-graft-PS)をクロロホルムに浸漬し、クロロスルホン酸を加えてスルホン化を行った。得られた生成物のキャラクタリゼーションをFT-IRで行ったところ、DPNR-graft-PSにスルホン酸基が導入されたことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始当初、グラフト共重合を行った際に、窒素バブリングの方法や撹拌速度等の僅かな違いが、反応率に影響を及ぼしていた。そのため、再現性良くコンスタントに反応率が85%以上となるまで、同じ条件下でグラフト共重合を繰り返し行った。当初計画よりやや遅れているが、グラフト共重合の再現性は確認されているため、平成25年度は円滑に進行すると予想される。
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今後の研究の推進方策 |
スチレン供給量を1.5~5.5 mol/kg-rubberの範囲で変化させ、各スチレン供給量での反応条件の最適化を行う。得られた生成物の透過型電子顕微鏡(TEM)によるモルフォロジー観察を行い、完全に連続なナノマトリックスチャネルが形成される下限の厚さを決定する。また、プロトン伝導度をインピーダンスアナライザーを用いて測定し、ナノマトリックスチャネルの厚さとプロトン伝導度の関係について検討する。 平均粒径が異なる数種類のDPNRラテックスを調製する。前年度に決定した臨界厚以下の厚さになるように、天然ゴム粒子表面へのスチレンのグラフト共重合とクロロスルホン酸を用いたポリスチレンのスルホン化を行う。得られた試料のモルフォロジー観察を、TEMを用いて行い、単位面積当たりのプロトン伝導パスの数を計算し、プロトン伝導度との関係について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究経費は消耗品と旅費である。消耗品は、試料調製のための試薬やガラス器具が主体である。特に、ガラス器具の取り扱いに慣れていない若い学生と研究を進めているため、破損を考慮してガラス器具を購入するための予算を多くする。旅費は、国内外における学会での調査および研究成果報告を想定している。
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