本研究では、金属単結晶グラフェン上に生じるモアレポテンシャル分布を利用して、有機半導体薄膜の制御を行う。このとき、特に、グラフェン上での有機薄膜のアルカリ金属ドーピングによる電子状態の制御を狙う。本研究期間内では、主に(1)グラフェンのモアレ分布自体の評価と、(2)有機薄膜へのアルカリドープの評価を行った。 (1)モアレポテンシャル分布は、超音速He原子線散乱によりおこなった。この結果、モアレ分布と、グラフェン-基板間結合の関係が、定量的に明らかになった。 (2)有機薄膜のアルカリドープの研究では、STMにより、ドープに伴う分子レベルの構造の変化と電子状態改質との関係を明らかにした。
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