研究課題
平成25年度は、昨年に開発したレーザー励起プラズマ非線形媒質発生装置を用いて広帯域フェムト秒光源生成を行った。波長変換特性評価の一環としてピコ秒レーザーのビームラインにマルチスリットを導入してマルチレーザー励起プラズマの生成による疑似位相整合高次高調波生成を行い、高調波の強度増大に成功した。長さ25mmのプラズマと長さ0.5mmの5つのプラズマを用いた高次高調波の強度比較を行った結果、0.5mmの5つのプラズマを用いた33次高調波の強度は、長さ25mmのプラズマを用いたときの約13倍であった。これは基本波と波長変換された33次高調波のコヒーレンス長ごとにプラズマを生成させ、空間的に屈折率変化状態を実現したことで位相不整合の補償ができたためと考えられる。これを利用して長さ0.4mmの8個のマンガンレーザー励起プラズマを用いたとき、波長15nm領域において40倍の強度増大を得ることに成功した。これらの結果からプラズマの間隔と個数を調整して強度増大可能な波長を可変化できることを明確にした。つぎに複数のレーザー励起プラズマにω1とω2の二色電場フェムト秒レーザーを入射して波長変換特性評価を行った。銀のレーザー励起プラズマを用いたとき、ω1とω2の照射タイミングの最適化と非線形媒質中の強い共鳴効果を利用することで波長50nmの領域における複数次数の高調波は、通常の場合と比較して約50倍の強度増大が観測された。最後にグラフェンとフラーレン、ダイヤモンド状炭素をターゲットとしたレーザー励起プラズマを非線形媒質に用いた波長変換の特性評価を行った。ナノ粒子材料をターゲットに用いたとき、表面プラズモン共鳴吸収が存在する波長域において高次高調波の強度増大が観測された。これは光誘起による双極子モーメントの増大よるものであることを明らかにした。
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Journal of Physics B- Atomic, Molecular and Optical Physics-
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