研究課題
本研究課題では、希ガス・クラスターに高強度極紫外レーザー光を照射し、入射光よりも短波長の光を発生させることを目的としている。昨年度までに、アルゴンクラスターに波長51nmの高強度極紫外レーザー光を用いることで、波長20nmまでの蛍光を観測することに成功した。平成25年度は、これまでに計測した実験結果の詳細な解析および学会発表を行った。当初の計画では本年度は、より高密度の希ガス・クラスターを用い、高密度の励起原子集団からの超蛍光を短波長領域で観測することを目指して実験を行う予定であった。しかし、極紫外自由電子レーザー光SCSS施設が性能向上のための改良作業に入りユーザー利用を停止し、実験を継続することができなかったため、昨年度までに取得した実験結果の解析を重点的に行った。昨年度末に計測した斜入射分光器による蛍光強度、及び、X線ストリークカメラによる時間構造測定について詳細に解析した。クラスター密度は、クラスターサイズ<N>=1000でおおよそ10(15) cluster/cm(3)であった。超蛍光現象では、蛍光の指向性が高くなり蛍光寿命は著しく短くなることと考えられる。そのため、入射光軸上での蛍光強度およびその時間構造を調べることで、超蛍光現象を探索した。昨年度末の実験結果では、蛍光強度のクラスター密度依存性はほぼ線形であり、強い非線形性の増幅は観測することはなかった。またX線ストリークカメラを用いたが、蛍光強度が弱く時間測定はできなかった。この結果、超蛍光現象に必要な励起原子密度を達成するためには、クラスター密度を10(15) cluster/cm(3)よりさらに高める必要があると考えられる。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
Journal of Physics B : Atomic, Molecular and Optical Physics
巻: 46 ページ: 164019 1-6
10.1088/0953-4075/46/16/164019
巻: 46 ページ: 164020 1-5
10.1088/0953-4075/46/16/164020
巻: 46 ページ: 164021 1-5
10.1088/0953-4075/46/16/164021