横波を励振する圧電薄膜は液体の粘性,導電率センサなどに応用することができる.センサ応用の際には,高いすべりモード電気機械結合係数k15を持つ膜が要求される. 本研究では, c軸傾斜Sc添加AlN薄膜を作製し,結晶配向性,k’15を評価し,Scを添加することでk’15が増幅するか調査した.また,薄膜中のSc濃度を変化させたc軸傾斜ScAlN薄膜を作製し,k’15,擬似横波速度のSc濃度依存性についても評価した.その結果、c軸傾斜Sc添加AlN薄膜のk’15は16.8 %となり,AlN単結晶の約3.2倍の値を示した.薄膜を使った横波励振効率では最大の値であり,ワールドレコードである.
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