本研究では,引張りを受ける細胞の変形および応答動態を単一細胞レベルで観察可能なデバイスを開発し,細胞の応答評価を行った. まず,デバイスの改良を行い引張り付与時のピントずれを概ね抑制することに成功した.また,二重染色による蛍光輝度比観察法を導入することで,ピントずれに起因する蛍光輝度変化の影響をさらに低減することができた. これらの改良によって,当初の目標であった高時間分解能での細胞応答観察が可能となり,実際に引張りを受ける細胞のカルシウム応答をこれまでにない高時間分解能でその場観察することに成功した.また,画像相関法を用いて,引張りを受ける細胞の細胞内ひずみ分布を計測する系の構築も行った.
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