Ti-Ni合金の各種特性に及ぼす熱処理中の付与ひずみおよび表面状態の影響について調べた。その結果、付与ひずみが疲労特性に及ぼす影響は少ないが、10%以上の付与ひずみ下での熱処理により形状記憶・機械的特性が向上することを明らかにした。また、SMAの表面状態の平滑化にともない疲労特性は向上するが、ナイロンコーティングを施すことにより機械研磨程度でも十分な疲労特性を示すことを明らかにした。 さらに、新しく考案した「渦巻きばね型SMA熱エンジン」を試作し、ギアやワンウェイクラッチによる機械的損失を削減した「プーリー式渦巻きばね型SMA熱エンジン」を試作、従来比で約20%のエンジン出力向上を果たした。
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