生命体の主な構造用部材である“緻密骨”が持つ改変期を含む自己治癒機能を次世代航空機エンジンの静動翼等の候補材である酸化物系セラミックス基複合材に発現し,その信頼性を抜本的に改善することが本研究の目的である.本研究ではアルミナ/SiC複合材の炎症期・修復期・改変期を通した自己き裂治癒機構を解明・モデル化することを第一の目標とし,H25年度およびH26年度において,機構解明に必要な分析技術の確立および機構解明に成功した.これに基づきH27年度はこれら治癒機能を最大化するための革新的な設計指針提案および確立を目指し,モデル材を作製し,設計指針の妥当性の検証を行なった.これら成果は現在,特許準備中であるため非公開としているが,提案した新規自己治癒セラミックスは従来材にくらべ最大で数万倍ものき裂完治速度の高速化に成功した.
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