研究課題/領域番号 |
24760099
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
尾嶌 裕隆 茨城大学, 工学部, 講師 (90375361)
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キーワード | 3次元計測 / ステレオ視法 / ウェーブレット変換 |
研究概要 |
ステレオ立体視法による研削砥石表面性情の3次元測定システムの開発を目指し,システムのハードウェア構築とプログラムの開発を行った.特に平成25年度では,前年度構築したシステムの改良および画像処理プログラムの開発を行った. システムのハードウェア構築では,前年度に構築した,現有の研削加工機上で研削砥石を取り外すことなく砥石表面の撮像を行える,機上撮像装置の改良を行った.CCDカメラ1台による撮像システムを再構築し,新たな撮像法に対応したCCDカメラやレンズの治具を製作した.また,ステレオ視法におけるマッチングの改良のため,アルゴリズムの改善を行い,実際にシステムを用いて撮像した画像により3次元計測を行った. 前年度から継続して,スレテオ視法による3次元計測アルゴリズムの開発のため,まず特徴点抽出アルゴリズム改善に向けたウェーブレット変換の開発を行った.ステレオ視法では,2枚の画像間において同一箇所の対応を求める必要があり,その注目点として輪郭などのエッジ上の点を特徴点として利用する.その特徴点を抽出するアルゴリズムの一つとして,ウェーブレット変換を利用してきた.2次元画像に対するエッジ抽出のために,2次元のフィルタを用いた面領域ウェーブレット変換のアルゴリズム開発を行ってきた.さらに処理速度の向上のためのアルゴリズム開発を行い,前年度よりも早い処理のアルゴリズムを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ハードウェアでは,前年度の問題点を解決するための,新たな撮像方法を考案し,機上撮像システムの設計開発を行なった.しかし,研削加工機の工作軸との同調撮像はいまだ作成できておらず,また必要とする砥粒を十分に撮像するシステムが完成していない.ソフトウェアでは,特徴点抽出のためのウェーブレット変換を用いたアルゴリズムを開発してきた.しかし,マッチングアルゴリズムに問題点があり,その問題点の解決に取り組んでいる状況である.以上の進捗状況より,達成度を判断した.
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今後の研究の推進方策 |
ハードウェアの開発を続けていく.特に,現在使用している砥石用の砥粒を十分撮像できる,機上ステレオ撮像システムへの改善を行なっていく.前年度までの問題点である,カメラのワーキングディスタンスの問題点を解決するために,新たにレンズを購入する必要がある.また,ソフトウェアの開発では,同じくワーキングディスタンスの問題点を解決するために,面領域ウェーブレット変換を用いたエッジ検出,領域分割のアルゴリズムの開発,またマッチングアルゴリズムの再検討による計測結果の改善をはかる.
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次年度の研究費の使用計画 |
購入した物品が予定よりも値段が安いものが購入できたため. H26年度において,必要な砥粒を撮影するために改善した撮像システムを構築するため,レンズおよび治具の購入に充てる.
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