研究課題/領域番号 |
24760117
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
山崎 渉 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 講師 (50598696)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 設計工学 / 応答曲面法 / 流体工学 / 羽ばたき翼 |
研究概要 |
本年度においてはKriging応答曲面法に拡張を施し、複数精度性能値を援用する応答曲面最適化技術の開発を行った。開発した手法により、高次精度性能値の絶対値を参照しつつ、比較的低コストで得られる低次精度性能値の変化傾向も参照した応答曲面モデルを構築する事ができた。高次性能値に実験データを、低次性能値に数値解析データを用いた場合などについて検討を行い、高精度な応答曲面モデルを効率的に構築できる事が確認された。このような手法の開発により、実験技術と数値解析技術との融合が可能となった。また、この応答曲面モデルを利用して、設計条件の不確実な揺らぎを考慮しつつロバストな設計を実現する手法についても提案を行い、その工学的有用性を確認した。 実験技術に関しては、独自の羽ばたき翼実験装置系を拡張し、3軸力ベクトルセンサーによりその流体力を、粒子画像流速測定法(PIV)によりその速度場を、それぞれ計測する事が可能となった。特にPIV計測に関しては固有直交分解(POD)手法に基づくデータ解析技術との融合計測技術を開発し、PIV計測データの高精度化が実現された。 当研究計画の目的は、従来の数値解析と最適化アルゴリズム手法とを組み合わせた最適設計技術を拡張し、実験技術・数値解析技術・最適設計技術とを融合・フィードバックさせた流体機械の高度最適設計技術を構築する事である。開発した各要素技術を結び付けていく事で、実験・数値解析・最適設計技術の高度な融合及び工学的に有用な設計技術の開発が実現できるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、応答曲面法の拡張により実験・数値解析データのフィードバック手法は開発されており、またそれを応用した最適設計技術の開発も行った。実験技術についても流体力計測及びPIV流れ場計測技術を確立した。より複雑な羽ばたき軌道を実現する実験装置系についても設計・開発を進めており、おおむね計画通りに研究は進捗していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
より複雑な羽ばたき軌道を実現する実験装置系の開発を早期に完了させ、その流れ場計測を行う。開発した手法により解析を行い、羽ばたき翼形状やその軌道について最適なものを抽出し、その工学的設計知見を示すことで開発した手法の優位性を確認する。また、得られるPIV速度データについては数値流体解析にフィードバックする手法についても検討を進め、より高度な融合設計技術に拡張していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度においては、より高度な羽ばたき運動を実現する上での装置拡張に伴う各種部材・制御機材、及びより高精度なPIV計測を実現する上で可視化用レーザー等を購入して実験装置系の拡張を行う予定である。また、米国航空宇宙学会等における国際会議や学術論文投稿も行い、研究成果を公表していく予定である。
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