研究課題
本年度においては独自の羽ばたき翼実験装置系を拡張し、受動的に羽ばたき翼のフェザリング運動を実現する羽ばたき翼機構を構築した。フェザリング運動を加えた羽ばたき翼周りの流れ場を粒子画像流速測定法(PIV)により計測し、かつ固有直交分解(POD)手法に基づく数値解析的なPIVデータの再構築技術を用いる事でフェザリング運動による非定常流れ場への影響を詳細に検討する事ができた。またPODを活用したPIV実験データと数値流体解析(CFD)データの融合技術も開発した。CFDデータからPODモードと呼ばれる流れ場の主要な構造を抽出し、かつ得られたPIVデータに適したPOD係数を推定する事で、部分的な流れ場データであるPIVデータから流れ場全体のデータを再構築できる手法を開発し、その工学的有用性を確認した。最適設計技術についてはKriging応答曲面法に拡張を施し、勾配・ベクトル積情報を援用する応答曲面最適化技術の開発を行った。開発した手法により、任意のサンプルデータに対し高精度な応答曲面近似モデルを構築できるようになり、ロバストな最適設計を行う事のできる設計手法が提案できた。これらの手法の開発及び前年度に開発した複数精度性能値を援用する応答曲面最適化技術の組み合わせにより、実験・数値解析・最適設計技術を融合・フィードバックさせた流体機械の高度設計技術を構築する事が可能となった。今後の研究の展開としては、この開発した設計技術を基により効率的な流体機械形状を提案していきたいと考えている。
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Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences
巻: Vol.57, No.2 ページ: 109-119
10.2322/tjsass.57.109