研究課題
本研究では,流体力を利用したエネルギー変換器の効率最大化を目的とした最適設計法の構築を目指して,流体問題と非線形構造問題の構造最適化手法の構築を行った.流体場の解析手法として,格子ボツルマン法と粒子法に着目し,その方法論を構築することに成功した.すなわち,流体領域を格子ボルツマン法もしくは粒子法を用いて解析しながら,流れ場に対する所望の特性を最適化可能なトポロジー最適化法の方法論を開発した.通常,離散化した方程式に基づいて感度解析を行う場合が多いが,本研究では,感度解析を連続系で導出する方法を提唱し,行列演算を不要とした方法論を構築した.基盤となるトポロジー最適化手法は,研究代表者のこれまでの実績に基づき,レベルセット法に基づくトポロジー最適化を用いた.これにより,明瞭で滑らかな最適構造の創成を可能とした.さらには,正則化係数の設定値により,最適構造の幾何学的複雑さの設定を可能としているため,製造性の高い構造を創成可能としている.なお,レベルセット関数は有限要素法による離散化を行っており,各物理領域はレベルセット関数により形状表現方法を統一している.これにより,異なる数値解析手法を連成問題への拡張を可能とした.また,構造領域の解析手法として,粒子法を採用し,構造の非線形性を考慮しながらトポロジー最適化を行う方法を開発することに成功した.すなわち,構造物の幾何学的変形を積極的に利用しながら最適な構造を創成設計可能な方法論を構築した.
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日本機械学会論文集(C編)
巻: 79巻,第802号 ページ: 2138-2163
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計算数理工学論文集
巻: 13 ページ: No.18-131129