研究課題/領域番号 |
24760124
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
川原田 寛 中央大学, 理工学部, 助教 (40462676)
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キーワード | 形状モデリング / ボリュームメッシュ |
研究概要 |
本研究は表面形状(点群,表面メッシュ,B-splineやNURBSなどの関数曲面など)から有限要素法が可能なボリュームメッシュ,特にシミュレーション結果の解析精度の点で現状の四面体メッシュよりも優位とされる六面体メッシュを,全自動(人手による操作を必要としない)で作成することを目的とする.完全六面体メッシュの質を考える際,評価項目としてヤコビアン,セル数,角の再現が挙げられる.今年度は特に角の再現に重点を置いて研究を行った. 角を持たない形状に対する完全六面体メッシュは少ないセル数でヤコビアンが大きいことが求められる.少ないセル数で精度の良いシミュレーションが実行できるメッシュが望ましいが,実際にはセル数が増えるほど計算時間が延びる代わりに解析精度が上昇することを利用する場合も多い.ところが,角を持つ形状に対して角の再現を達成していないメッシュを作成した場合はセル数を増やしたところで,解析精度は一定以上向上しない.つまり角の再現が達成されていない完全六面体メッシュは実用に耐えないこととなる.そこで昨年度の段階で当課題の研究項目に角の再現を追加し,本年度においてもそれを実現するようなアルゴリズムの改良を引き続き行った. 任意の表面四角形分割を持つ完全六面体メッシュを対象形状にフィッティングする際の目的関数および2つの表面間の対応付けの改良,それにより生じた表面メッシュのゆがみを除去するアルゴリズムの開発などを達成した.これにより広い範囲の形状に対して角が再現された完全六面体メッシュを作成できたが,ヤコビアンが低くなるケースがあるためその対処を次年度に行う.その後,初期からの研究項目である ① 3次元等角写像の利用によるボリュームメッシュの高品位化 を行い,生成される完全六面体メッシュの評価を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の段階で研究項目を追加したため,その分の遅れがみられる.来年度まで期間を延長したため,期間内に当初の研究項目を含め達成できる見通しである.
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今後の研究の推進方策 |
項目①に関しては,概ね達成できているが,プログラムのスリム化,高速化,および並列化を行う可能性がある.新たに追加した項目③ 角の再現 を達成し次第,項目②を含め本研究課題全体の総括を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
学会誌投稿料の請求が遅れたことに加え,補助事業期間の末期に達成された研究成果の対外発表のための旅費が期間を超えて必要となった.それに付随して追加の実験の費用が見込まれるため,未使用の金額が発生した. 学会誌投稿料(別刷り代含む)および国際学会発表,国内学会発表における参加費と旅費,諸経費,それらに伴う追加の実験費用(備品費,人件費,その他の費用)として使用する.
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