研究課題
エネルギー・環境問題や人口増加に伴う水・食料問題に付随して、下水や食品流体等の大小様々な固体が混入した固液混相流を高効率かつ安定的に移送できるターボポンプの開発は大きな課題である。本研究は、汚水用ポンプとして通過粒径(ポンプ内流路の最小粒径)を大きく形成した一枚羽根遠心ポンプの複雑非定常内部流動と、それに基づく損失生成機構、変動流体力発生機構及び異物閉塞機構を統合的に明らかにし、高性能・高信頼性化を実現するための設計指針を確立することを目的としている。最終年度に実施した研究成果は、以下の通りである。1. 通過率と異物の挙動の調査平成24年度に設計・製作した縮小モデル(羽根車外径110mm)用の実験装置を使用し、クローズド形羽根車を対象に、実異物(線径5mm、材質ポリエチレンのロープ)を用いた異物通過試験及び高速度カメラによる異物の挙動の可視化実験を実施した。その結果、ポンプ口径より長い異物の場合、ポンプ全体の通過率は流量の減少とともに低下し、流量係数φ=0.008ではほぼ0になること、流量が減少すると羽根車での閉塞が顕著になり、流量係数φ=0.008では羽根車での閉塞に加えてケーシングでの閉塞が極めて顕著になることなどを明らかにした。2. 側板の有無が内部流れに及ぼす影響の調査数値解析によりクローズド形及びオープン形羽根車の内部流れを調査し、内部流れに及ぼす側板の有無の影響を把握した。さらに、変動流体力、損失及び通過率と内部流れとの関連性を把握した。
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International Journal of Rotating Machinery
巻: 2014 Article ID 838627 ページ: 1-16
10.1155/2014/838627