1億分の1メートル程度の大きさの超微小気泡群の挙動に対する熱的な影響の解明を目的として,分子シミュレーションによる研究を展開した.その結果,少なくとも低圧場での気泡挙動については,①熱的な影響は非常に小さい②気泡群の成長機構を特徴づける指数(成長速度指数と呼ばれる)が熱的な影響を直接考慮せずともマクロな状態量を用いたモデルから定量的に予測できる,という2つの知見が得られた.これらは,超微小気泡群に対する正確な挙動予測が工学的に求められているなか,その予測を可能とするための一里塚となる成果である.
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