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2012 年度 実施状況報告書

PDV法を用いた衝撃波/境界層干渉流れの速度計測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24760141
研究機関北九州市立大学

研究代表者

小野 大輔  北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (20549894)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードPDV法 / 流速計測 / 衝撃波/境界層干渉流れ
研究概要

本年度は,ヨウ素セルの製作,ヨウ素セルの温度制御システム,点計測用の受光光学系の構築を行うとともに,これらを用いたヨウ素の吸収線計測を行った.また,次年度に行う二次元計測用の受光光学系や測定部の設計を行った.
本計測法では,ヨウ素セルの本体とコールドフィンガー部の温度を個々に制御する必要がある.ヨウ素セル本体はニクロム線を用いたジュール加熱により設定温度に対して±0.5℃程度で温度制御できることを確認した.コールドフィンガー部の温度管理はセル内のヨウ素の飽和蒸気圧(吸収線の形状)に関係することから,小型恒温槽を用いて精密な温度制御を行った.その結果,設定温度に対して±0.1℃程度の範囲内に納まり,計測に十分適した温度管理ができることを確認した.
ヨウ素の吸収線計測では,インジェクションシーダ―により狭帯域化されたNd:YAGレーザー(532nm)を用いた.レーザー光の検出には2個のフォトダイオードを用い,製作したヨウ素セルを通過したものとそうでないもの同時に計測し,ヨウ素の吸収率を算出した.本実験に用いたレーザーの波長可変範囲において,2本の吸収線が観測され,これらのピークが1110,1111に相当することが他の文献との比較から明らかになった.さらに吸収線の計測は日をまたいで繰り返し行い,吸収線形状が外気の温度等に左右されないことを確認した.
二次元計測用の受光光学系は,カメラ1台で計測できるようにハーフミラーを用いた光学系を構築した.また,計測用のノズルとして,設計マッハ数が1.5のラバルノズルの先に断面積が一定の矩形ダクト取り付けた計測部を設計した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の到達目標は,1.ヨウ素セルの製作,2.吸収線の評価,3.点計測による計測精度の検証であったが,3.に関しては本年度中に達成することができなかった.その理由としては,フォトダイオードの故障が挙げられ,その修理に時間を割かれてしまったことが遅れの要因である.しかしながら,修理期間中に次年度に予定していた二次元計測用の受光光学系の構築および計測部の設計等が本年度中に完了したことから,研究全体の進捗状況としては,大きく遅れていないものと考えられる.

今後の研究の推進方策

はじめに本年度遂行できなかった点計測システムを用いた回転円盤の計測を行い,本計測システムの測定精度を検証する.また,二次元計測用の測定部の製作,入射光学系の構築および流速計測を行うとともに,実験結果と比較するための数値解析も同時に進める予定である.特に,本研究ではトレーサ粒子として凝縮した水蒸気を用いる予定であるが,こうしたトレーサ粒子の衝撃波/境界層干渉流れに対する追従性や凝縮の状態が測定精度に及ぼす影響などについて焦点を絞って研究を進めていく予定である.

次年度の研究費の使用計画

わずかに残差が出たのは,計測精度検証実験が本年度中に遂行できなかったため,それに用いる予定であった光学部品(集光レンズ,ミラー等)を購入しなかったためである.残差分については次年度,予定通り光学部品の購入に使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Three-Dimensional Normal Shock-Wave/Boundary-Layer Interaction in a Diffuser2013

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Ono, Taro Handa, Mitsuharu Masuda
    • 雑誌名

      Journal of Fluids Engineering Transactions of the ASME

      巻: 135 ページ: 1, 8

    • DOI

      10.1115/1.4023657

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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