並進平板上にシート状あるいは糸状の粘性流体を垂らすと、条件によって様々な振動パターンが発生することが知られている。我々はとくに樹脂フィルムの製造過程で問題となっている平板の並進速度が高速である場合の液膜挙動の不安定化と振動の発生メカニズムを探るために実験と理論の両面から研究を行った。液膜を構成する流体がニュートン流体である場合、平板の速度が十分に大きければ液膜の挙動は安定であることが解った。そこで我々は流体の非ニュートン的性質が不安定化の原因であると予想し、実際にずり粘化の性質を持つ流体が一定応力下で自発的に振動することを理論的に予想した。この振動は実験的にも存在することを確かめた。
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