研究課題/領域番号 |
24760161
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山本 義暢 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (40377809)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | MHD / 乱流熱伝達 / 高プラントル数流体 / 直接数値計算 |
研究概要 |
核融合炉次世代ブランケット冷却材(及び増殖材)の有力候補の一つであるFLibe溶融塩(LiFとBeF の混合溶融塩)は,1、化学的安定性,2、磁気流体力学的(MHD, Magneto-Hydro-Dynamics)圧力損失の劇的低減,3、冷却材のみならず増殖材及び中性子増倍材といった多機能性を有している反面,(1)腐食,(2)伝熱劣化の問題点が指摘されている. このFLiBe溶融塩はプラントル数20-40程度の高プラントル数流体(プラントル数:運動量拡散と熱拡散の比,プラントル数40の場合,熱拡散は運動量拡散の1/40であることを示す)であるため,その伝熱特性は乱流熱伝達に強く依存する. そこで本研究では、核融合炉デザイン条件下(高レイノルズ数,高ハルトマン数,高プラントル数)を対象としたMHD乱流熱伝達の高精度DNSデータベースを構築することを目的として,現在までにベクトル並列計算機及びスカラ並列計算機上での,高速大規模数値計算コード開発に成功した.具体的には,最速で実行演算速度21TFLOPSの高速演算が可能となった.開発コードを用いて,実際の核融合炉ブランケットデザイン条件下でのDNSデータベースの構築に成功し,その精度を検証した.また得られたDNSデータベースを用いて磁場下の乱流熱伝達特性及び乱流モデリングに関する考察を行い、MHD乱流モデリングにおいては、乱流拡散項の精度が重要となることを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通りに、高プラントル数流体におけるMHD乱流熱輸送の大規模直接数値計算手法の開発に成功した。開発コードはこの種の計算において、世界最速の実行演算速度、21TFLOPSを達成している。また開発コードを用いて実際のデータベース構築に成功し、MHD乱流熱伝達に関する詳細な解析に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、開発したDNSコードを用いて、より高いレイノルズ数・ハルトマン数条件下におけるMHD乱流熱伝達データベースの拡充を行う。 また得られたDNSデータベースの解析により、MHD乱流変調及びスケーリングパラメータの解明に取り組む。 最後に上記の知見に基づき、核融合炉ブランケット熱設計上重要なMHD乱流モデルの評価及び改良を行い、応用上のまとめとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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