研究課題/領域番号 |
24760163
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
林 直樹 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00377839)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 表面反応 / 予混合燃焼 / 壁面と火炎の干渉 / 数値シミュレーション / OH-PLIF |
研究概要 |
本年度は,主に数値シミュレーションを用いた内容について成果が出ている.スリット型のバーナ上に設置された平行平板間流路内に形成される予混合火炎を模擬した数値シミュレーションを行った.これはこれまでに我々が中国との共同研究において使用した実験系を模擬したモデルであり,実験での考察を深めることができたと考える. このとき,平行平板間距離を変化させることにより,消炎距離に与える壁面の影響に関して,表面反応を考慮した数値解析を行った.その結果,今回行った計算条件では,平板間距離が消炎距離以下になると,壁面への熱損失およびラジカルクエンチングによる燃焼速度の低下により火炎が吹き飛ばされることがまずわかった.また,壁面の温度が低い場合,平板間距離で定義される消炎距離は,不活性壁面と活性壁面で差はない.さらに,壁面の温度が高い場合,消炎距離に差が生じた.しかしその差はあまり大きくなく,壁面への熱損失が主要因であると考えられることがわかった.表面反応によるラジカルクエンチングは壁面近傍での反応を抑制することにより消炎近傍の状態に影響を与えると考えられることがわかった. また,実験においては実験条件や実験用のバーナを作成する指針を得るための予備実験を主に行い.購入した放射温度計(サーモギア)および熱電対を併用することによる表面温度の正確な計測手法の開発および購入したレンズを従来の光学系に組み込みレーザ計測の最適化などを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数値シミュレーションについては,特に上記の実績欄に記載したように火炎と壁面の干渉に与える表面反応や熱損失の影響について明らかにすることができつつある. また,実験的検討について,実験の準備を現在行っている.本年度ではバーナ制作の指針等を得ることができ.その結果を元に,バーナの作成を現在行っている.当初の計画では本年度中にバーナの作成まで行う予定ではあったが,すでに製作依頼等は終わっており,来年度に本格的な実験およびそれに基づく検討を行うことが可能であると考える.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は概ね計画どおりに進行している.来年度については当初の研究計画どおりに行う予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
バーナ製作が一部予定より遅れている点,また学会等の参加が予定よりも少なくなったことにより翌年度に使用する研究費が発生した.バーナ制作については製作依頼,各部品の発注を現在行っているところであり,研究計画自体には大きな変更はない.
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