近年,燃焼器の設計・開発において数値シミュレーションは強力なツールとなりつつある.しかし,壁面近傍での燃焼現象については明らかになっていない点も多く,燃焼排出物や燃焼効率の予測という点において誤差,不確かさの要因となっている. この表面反応が火炎に与える影響について実験的検討が行われる際に,バーナ上に設置された平行平板の幅を狭めることで消炎距離を求める手法が取られることがある.この平板にさまざまな材質を用いた場合に,特に高温で消炎距離に差が生じることが報告されている.このような実験についてより詳細に検討を行うために,表面反応を考慮に入れた数値解析を行い,その消炎距離や壁面近傍での気相の素反応などについて検討を行った.このとき,流速や壁面温度等の条件によっては火炎が消炎ではなく,吹き飛びにより計算領域内に定在できないことを示した.この現象について明らかにするために,平板間距離を小さくした際の発熱速度分布や流速分布について検討を行った. また,実験では火炎とその未燃側に位置する壁面との干渉について,実験的に検討することを試みた.バーナ出口に多孔体としてハニカムを設置したMcKenna burner[4]を用いて,超小型燃焼器における予混合気流入壁を模擬した.予混合気の噴出速度を変化させた際の燃焼特性について調査すると共に,未燃側における壁面材質の影響に着目し,平面レーザ誘起蛍光法(PLIF)によってOH蛍光強度を計測した.これにより,多孔体の表面材質を変化させた場合の,平面火炎におけるメタン-空気予混合火炎の燃焼特性調べた.
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