昨年度までに構築された内径50 mm,全長5534 mmのデトネーション管を用いて,混合燃料において燃料の混合割合がデトネーション特性に及ぼす影響を実験的に調べた.ピエゾ型圧力変換器,イオンプローブおよびすす膜により計測を行った.燃料/酸素/アルゴン混合気で実験を行った.エチレン,メタンおよびエタンを任意の割合で混合させたものを燃料として用いた.当量比および混合気中のアルゴンの体積割合は,それぞれ1.0と75 %に固定した.初期圧力は60 kPa,初期温度は室温とした.各条件において2回以上実験を行い,その平均値を用いて評価した.また,各実験条件におけるCJデトネーションの伝播速度,圧力,温度などの計算を行った.さらに,反応モデルにKonnovのモデルRelease 0.4を用いて各実験条件において一次元ZNDデトネーションの波面構造の数値計算を行った.得られた結果は次の通りである. 1.全ての条件においてデトネーションへの遷移が確認された.その伝播速度はCJ速度とよく一致していた.2.エチレン/メタンおよびエタン/メタン混合燃料において,メタンの混合割合が減少するにつれ,デトネーションのセル幅は単調に減少した.3.エチレン/エタン混合気において,デトネーションのセル幅の変化は単調ではなかった.4.数値計算により導出した反応誘導距離とセル幅を比較した.これらの成果は,平成27年3月に行われた日本機械学会関西支部第90期定時総会講演会において発表された.
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