本申請はSiO2微粒子をTiO2で修飾した微粒子(以下,TiO2/SiO2ナノ微粒子)の生成を目指し, TiO2/SiO2ナノ微粒子の生成条件と物理特性との関係を明らかにすることである.研究実績の概要を以下に示す. (1) 微粒子生成装置の改造 TiO2/SiO2ナノ微粒子生成のために現有の微粒子生成装置を改良した.2種類の溶液を噴射可能にするために噴射弁をバーナー上流とバーナー下流に設置し,2つの噴射弁の複雑な噴射条件の制御のため,インジェクタコントローラを新規購入した.バーナー上流部はSiO2ナノ微粒子用原料噴射弁,下流部はSiO2ナノ微粒子用原料噴射弁である. (2) TiO2/SiO2ナノ微粒子生成条件と物理的特性との関係 TiO2ナノ微粒子用原料にテトライソプロポキシチタン,低沸点有機溶剤にシクロヘキサンを,SiO2ナノ微粒子用原料にテトラエトキシシラン,低沸点有機溶剤にn-ペンタンをそれぞれ混合した溶液を用いて単体のナノ微粒子を生成し,走査型電子顕微鏡(以下,SEM)およびエネルギー分散型X線分析により微粒子生成条件と微粒子特性の関係を明らかにした.その結果,TiO2およびSiO2微粒子は低当量比の条件において多量に生成されることがわかった.これは微粒子生成の際に酸素を必要とするためである. (3) TiO2/SiO2ナノ微粒子の物理的特性制御 改良した装置を用いて(2)で確認した条件下でTiO2/SiO2ナノ微粒子を生成し物理的特性をSEMにより評価した. TiO2/SiO2ナノ微粒子の生成においても単成分微粒子の場合と同様に低当量比で微粒子が生成されることがわかった.この結果からSiO2微粒子がバーナー部で生成された後にTiO2原料が噴射されることによりTiO2/SiO2ナノ微粒子が生成されることがわかった.
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