研究課題/領域番号 |
24760178
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
阿部 陽香 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (70462835)
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キーワード | 熱物性 / 比熱容量 |
研究概要 |
本研究の目的は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた断熱型熱量計を開発し、ナノ粒子等の直接的な微小熱容量測定を実現することにより、低次元系における物質の熱的性質を明らかにすることである。平成25年度の主な研究実施計画は、①MEMS式 熱量計の設計・試作、②MEMS式熱量計による熱容量測定を行なうための計測システムの構築、③測定性能評価法の検討、の3点であった。①に関しては、これまで研究されているMEMS式センサーの調査研究を基に、MEMS式熱量計に適した温度センサー、ヒータ、サーモパイルなどの形状・構造の検討を行い、設計を行った。②に関しては、昨年度に引き続き、断熱制御に必要なPID制御をソフトウェア方式にすると共に、リアルタイム自動制御可能な比熱容量計測システムの整備を進めた。③に関しては、MEMS式熱量計による測定の性能評価に用いる粒子形状の標準物質の検討を行った。現在頒布されている標準物質はバルクの形状であるため、MEMS式熱量計で使用するためには粒子形状のものを使用する必要がある。しかしながら、微粒子の比熱容量測定に関する検討はほとんどなされていない状況である。そこで、米国国立標準技術研究所(NIST)で開発された熱容量標準物質NISTSRM720(合成サファイア)を粒子形状にして測定を行い、バルク形状の同標準物質の測定値と比較した。この結果により、MEMS式熱量計の測定性能評価に有用な情報が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は、MEMS式熱量計の製作に時間がかかり、研究計画が若干遅れた。しかし、「研究実績の概要」にも記述した通り、測定の性能評価に関わる微粒子形状の熱容量標準物質の測定値については、従来の比較測定法による測定によって検討することができ、微小熱容量の測定に関する準備を進めることができた。今年度の成果により、次年度の研究目標をよりスムーズに進めることができると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、MEMS式熱量計での比熱容量測定を行い、測定システムの整備、測定条件等の検討を行う。熱量計の動作が良好でない場合は、改良を重ねて問題点の改善に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
MEMS式熱量計の製作が若干遅れているため、その製作費分、次年度使用額が生じた。 次年度の研究費は、主に、MEMS用SOIウェーハ等材料費、フォトリソグラフィーマスク、MEMS熱量計製作費、測定用試料(微粒子・バルク材料等)、バルク試料加工費、金属部品加工費、リード線等部品費等に使用する予定である。
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