研究課題
近年,情報インタフェースとして,タッチスクリーンデバイスのようにマルチモーダルな情報との統合を目指したデバイスが世にあふれるようになって久しい.さらに研究分野においては,いくつかの錯触覚を利用したデバイスが開発され,実物に近い触感を提示しはじめている.しかし,錯触覚ディスプレイは錯覚を利用しているため,実物に近い触感とひきかえに他の感覚情報や物理情報との齟齬を生じることがある.そこで我々は触覚情報を提示可能であり,かつ視覚などマルチモーダルな情報と齟齬をおこすことなく,それぞれの情報を同時に取得可能なインタフェースの開発を目指した.このとき,剪断力を用いた凹凸表現手法の拡張による錯触覚を積極的に利用することで,触覚におけるリッチな質感を提供し,布などのテクスチャ感を提示しながらも視覚情報との齟齬を起こすことのない方式を提案し,凹凸とテクスチャを同時に提示可能なデバイスを開発した.開発したデバイスにより,定量的な凹凸表現と,いくつかのテクスチャ表現が可能なこと,凹凸表現とテクスチャ表現を同時に知覚可能なことを実験的に確認した.また,これまで被験者を用いた評価のみが主な定量化手法であった触覚提示装置における入力情報の信号である振動信号について,より普遍的な評価基準として,振動信号そのものの定量的評価をするため,複数の振動信号の弁別可能性を評価する,サポートベクターマシンによる機械学習を用いた手法を提案した.そして,単純に記録された振動信号を利用する従来手法より弁別精度を向上可能な振動信号を人工的に合成する手法を提案した.
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IEEE Transaction on Haptics
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